保育学生さんへ

うめ先生流 自己紹介BOOKのつくり方

以前、保育学生さんからこんな相談を頂きました。

保育実習で使えるものを作る学校の課題だったようでした。
スケッチブックで自己紹介、つまり自己紹介スケッチブックシアターを作ろうというわけです。

さっそくご相談にお答えしたい!と思ったものの・・・
よく考えたら私自身スケッチブックを使った自己紹介アイテムは持っていませんでした。
私が指導した保育実習生が持って来ているのもみたことがありません。

みたこともない、つくったこともない、ではお答えができないな〜
ということで私もつくってみることにしたのです。

実際につくってみたからこそわかる、子ども達が楽しくみることができるポイントや自分を覚えてもらう為のポイントをつくり方と併せてシェアしたいと思います!

保育実習のはじめにすれば、子ども達にも喜んでもらえます。
つくるのは少し大変ですが就職してからも使えるので、保育学生のあなた!
頑張ってつくってみて下さいね。

つくり方以前に「自己紹介BOOK」自体のイメージがわかない、どんなものかわからない、という方は目次からとんで、先に「うめ先生の自己紹介BOOK」をみてみて下さいね。

自己紹介BOOKのつくり方

はじめに

保育教材や壁面環境をつくるときに、いきなり色画用紙を切り始めてしまう方がいます。
制作に長けていて頭の中でしっかりとつくるものが構成できているのなら構いませんが、「つくってみて失敗」となる可能性があるのなら、そのやり方はおすすめしません。
色画用紙などが無駄になってしまうからです。

就職してからは特に園の資材を使います。
無駄遣いをしないように大事に使うのはどの園にも共通のお約束です。
今のうちから無駄のない使い方を心がけましょう。

用意するもの

企画用

・紙(ノート)
・ペン

制作用

・スケッチブック
・色画用紙など
・ハサミ
・のり
・カッター
・カッティングマット
・マーカーや色鉛筆など
・その他、割りピンやマニラボール紙など使えそうなもの色々
・ゴミ箱

※効率良く制作するために必要なものは全て先に用意します。
特にゴミ箱、大事!笑

STEP1 子どもに伝えたい自分の情報をまとめよう

何を書いたらいいのかわからない・・・とのご相談でしたが、自己紹介とはそのままズバリ自分を紹介することです。自分の知って欲しい部分を考えてみましょう。

まずは名前ですよね。名前を覚えてもらい呼んでもらえるようになる、これは自己紹介において大事なことです。(大人同士でも覚えてもらうために名刺を使いますよね)
それから自分のことで特に知ってほしいことはなんですか?

「いきなり思いつかない!」という方は発想を変えてみましょう。
あなただったら仲良くなりたいと思う人に出会った時、その人の何を知りたいですか?
好きな食べ物?嫌いなことは?趣味は何だろう。ペットは?休みの日は何してる?
次から次に浮かんで来ませんか?それを書けばいいんです!

伝えたいことが決まったらメモしておきましょうね。

STEP2 アイデアを練ろう

伝えたいことが決まったら、それをスケッチブックというものを媒体にしてどのように伝えるかを考えましょう。
相手が大人であれば文字を書けば伝わるでしょう。
ですが、その自己紹介ブックは子ども達に自分をアピールするものですよね。
文字だけでなく絵でしっかり示していく必要があります。

名前に関しては、ただ名前を言うだけでは覚えてもらえないかもしれませんね。(園には先生も実習生もたくさんいます!)
子ども達に、より印象が残るような工夫が必要です。
メロディーに合わせて名前を言うと響きが子どもの心に残るかもしれません。また、自分の名前の一文字一文字を子ども達の身近なものに置き換えるのも記憶しやすいですね。(例:はうみのう、めはめだかのめ など)

好きな食べ物や趣味など自分の情報もただイラストにするだけではつまんないですよ。
名前と同じように歌に合わせてもいいですし、クイズ形式にするのも楽しいかもしれません。

これらのアイデアもしっかりメモしておきましょう。

STEP3 仕掛けを考えよう

これはうめ先生流ワンポイントです!
スケッチブックの中に仕掛けを盛り込んで欲しいんです。

例えばあなたが保育学生なら「仕掛け絵本」と呼ばれる絵本を手に取ったことがあるのではないでしょうか?
ページの中にある扉が開いたり、何かが飛び出したり、動いたりするあの絵本です。次から次に出てくる仕掛けは子どもでなくてもわくわくします!

そういった仕掛け絵本をヒントにあなたの自己紹介ブックにも仕掛けをつけて欲しいんです。きっと子ども達はわくわくしながらスケッチブックをみてくれます。わくわくしながらあなたのことを知るんです。
素敵だと思いませんか?

「仕掛けなんて難しい!」なんて気負うことはありません。開く、飛び出る、動くなどの仕掛けは実は意外と簡単なんですよ。
今の段階で「つくれない」ような仕掛けでも大丈夫です。つくれるかつくれないか、ではなくどんな仕掛けだと面白いかを基準に考えてみて下さい。

STEP4 つくってみよう

作り始めて浮かぶアイデアもありますよね。
そのときは予定を変更してやってみましょう。
また、やってみると仕掛けがうまくいかないということもあります。その都度工夫をして取り掛かりましょう。

どのように仕掛けを作ったらいいのかわからない場合は、調べてみましょう。「手作りカード、仕掛け」などで検索すると色々参考になるものが出てきますよ。
保育情報誌ではお誕生カードや発表会プログラムなどの特集号などをみると掲載がありますよ。また保育書籍コーナーではなくハンドメイド関連のコーナーにも専門誌があります。

STEP5 演じて確認しよう

つくったら実際に演じてみましょう。
ただやってみるのではなく、仕掛けがうまく作動するかを確認します。
また子ども達にきちんとあなたのことが伝わる内容なのか色遣いは子ども達から観やすいかなども確認します。

仕掛けの作動は自分でも十分できますが、内容や見た目の確認はつくった本人では確認しづらいものです。お友達や家族などに子ども役を頼んで観てもらうといいですね。
保育学生仲間で確認し合えば観る方も勉強になりますし、お互いの為になりますよ。

STEP6 手直しをして完成させよう

演じてみて仕掛けがうまくいかなかったところや見た目にわかりにくい箇所などを修正していきます。この作業は疲れも出て楽しくないかもしれませんが、絶対に省かない方がいいです。
自己紹介BOOKは就職後もずっと使うことができます。妥協せず丁寧につくり上げることで長い期間使えるものとなります。

しっかりと手直しができたら完成です!(頑張ったネ。)

うめ先生の自己紹介BOOK

では、私がつくった自己紹介BOOKをお見せします♪
自己紹介BOOKがどんなものかよくわからないという方やいろんな作品を見てアイデアを練りたいという方は先にこちらを観て下さいね。

YouTube うめ先生の自己紹介BOOK

うめ先生の実践レポ

つくり方の説明に沿って私が実際にどのように考えてつくったのかをお伝えしますね。
企画、制作する際の参考にしてみて下さい。

うめ先生のアイデアノート(一部)

参考までに私が企画しながら書いたノートの一部も貼っておきますね。

乱雑ですみません。笑
ですがこういうのは自分がわかればいいのです。

気合を入れてアイデアノートのイラストに色をつけたりするのも素敵ですが、そこで力尽きないように!自分の性格をよく省みて書いてくださいね笑

下部分のイラストには数字が打っていますよね。何枚目のページを使うのか混乱しないようにページ数を記入しています。
また材料の買出しが必要な人は何を買うのかのメモも添えるといいですね。

STEP1の作業

一晩でバタバタと作ったので名前部分だけを紹介しようと決めました。
名前が長い場合や私のようにメロディー1曲分つける場合であれば名前だけでも充分なのかもしれません。

学生さんの場合は、実習時の様子で短くしたり長くしたり臨機応変に使えばいいと思うので、課題提出時には名前以外の紹介部分もつくりましょうね。私もまた時間のあるときに続き部分を作りたいと思っています。

STEP2と3の作業

私は名前を1文字ずつ区切るより二文字ずつ区切ったほうが、子ども達に親しみを持ってもらえると思ったのでそうしました。

そしてメロディ(きらきらぼし)に合わせようと歌詞をつくりました。きらきらぼしやドレミの歌は替え歌にしやすいのでおすすめですよ。もちろん自分で作曲できる方はそれも素晴らしいと思います!

ピアノも自分で弾いて録音したものを使いましたが、もし園でするのであれば誰か他の先生に弾いてもらうのも有りですね。(実習生の場合は録音して行ったほうが安心かな)
口伴奏でも十分です。

仕掛けはうめぼしの移動動くうめ先生回る星に入れ替わる星です。
うめぼし部分はスケッチブックをカットして2枚のうめぼしを両側から貼りあわせています。
動くうめ先生のページや回る星のページはうめ先生の後ろの仕掛けや星の鼻部分になっている割りピンなどが見えないよう、画用紙を数枚上から貼っています。

よーく計算して作らないとページが足りなくなったり、仕掛けが見えて見栄えがわるくなります。計画は綿密に練りましょう!

完成したら練習しよう

素敵な自己紹介ブックをつくっても上手に使えなければ何の意味もありませんよ。スムーズに出来るようになるまで練習しましょう。私もこの動画を取る前に練習しています。それでも音楽に合わせると簡単なようで難しく、何度も撮り直しているんですよ~。

子ども達にしっかり自分を覚えてもらうためにたくさん練習しましょうね。手直しの作業と同様で学生さんはお友達同士で見せ合って練習するのもおすすめですよ。

練習する中でちょっとした失敗は中断せず、臨機応変に演じることができるように練習しておくことも大事です。本番でミスをしても慌てずに対応できるようになりますよ。

おまけのアドバイス

今回はご相談で「スケッチブックを使って」というお題があったので、スケッチブックを使いました。同じ課題が出されてる方はスケッチブックを使う必要があるわけですが、課題ではないけど今回この記事をみて作ってみようと思ったあなたはスケッチブックでなくてもいいんですよ〜!

紙皿を使った自己紹介でもエプロンシアターを使った自己紹介でもいんです。そうするとアイデアの幅が広がりますよね。
色んなアイデアを膨らませておもしろい自己紹介を考えて見て下さいね。

ただ・・・
手袋シアターや指人形形式のシアターは大勢の子どもに見せるときに小さすぎるかもしれません。パネルシアターはパネル台の準備が必要になるので「いつでも手軽に」とはいかないかもしれません。
その点を注意してアイデアを練ってみて下さい。

おわりに

先にお伝えしていますが、自己紹介BOOKは保育実習だけでなく就職してからも使えます。保育の仕事は毎年子ども達と「はじめまして」をするんですから。

もちろん「はじめまして」の時以外にしてもいいんです。
「先生のことちゃ〜んと覚えてくれたかどうかやってみよ♪」と年度の途中にしてもいいわけですし、他の先生のカバーで他クラスに入った時も演じるチャンスです。
子ども達は素敵なシアターが大好きで気に入ったものほど何回も観たくなるので、きっと喜んでくれますよ。

誰かの名刺がその人だけを表すものであるように、自己紹介BOOKはあなただけのものです。制作が苦手な方やどんなものを作るのか、その企画をすることが苦手な方はこのような課題や保育教材づくりは大変に思うかもしれません。
でも頑張ってつくったら世界に一つだけの、そしてあなただけの大切なアイテムになります。

頑張ってつくったら、子ども達が目をキラキラさせながら観てくれます。
大変な思いなんて一瞬で報われますよ。
そんな姿を想像してわくわくしながらつくって下さい。

素敵な自己紹介BOOKができますように。

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