保育士として

保育士が初めて会う保護者にまず掛けたい言葉

新年度のクラス発表のときや途中入園で自分のクラスに新しい子どもが入るときなど、保育士は「どんな子ども(たち)かな」「どんな保護者(たち)かな」とちょっとドキドキしますよね。

ですが、保護者の立場になってわかったことがあります。
それは、先生以上に保護者の方が我が子のクラス発表(担任発表)をドキドキして迎えるということです。

毎年同じようにドキドキして我が子の担任発表を迎えてきたのですが、長女が初めて進級したときの先生がとても素敵だったのでシェアしたいと思います。

はじめましての先生が素敵だった話

異動してきた先生

長女が初めて進級するとき、母である私にとっても我が子初めての進級だったわけです。
0歳児クラスから1歳児クラスへ。

まだ言葉が未発達の乳児ですから緊張もひとしおの中、入園進級式が始まり、いよいよ担任発表のとき。
長女のクラスの番になると見たことのない先生が前に立ちました。
長女は公立に通っていたので先生方は異動があるんですね。


元々その園にいた先生であれば「いつも長女に話しかけてくれる先生」「いつも子どもたちと走り回っている先生」など自分の中に情報があり、それが安心に繋がります。(逆もあるかもですが)
ですが異動してきたばかりの先生については全くわかりません!


式が終わり各クラスに別れて説明を受けている間も「どんな先生かな〜」「いい先生だといいな〜」「もし長女と合わなかったらどうしよ」などと考えていました。


クラスの説明が終わり保育室を出ようとしたとき、その先生に呼び止められました。
そしてそのときに掛けて下さった先生の言葉で不安や心配はきれいになくなり、それどころか「この先生なら大丈夫だ!」「この先生でよかった!」と大きな安心と信頼を感じるほどになりました。

最初の言葉だけでこんなにも安心させてくれる先生、とても素敵だなあと思います。

先生が保護者にまず掛けてくれた言葉

不安や心配、疑心暗鬼な気持ちを抱えていた私が一瞬でほぐされた言葉。
それは、

   私、すぐに長女ちゃん(実際は名前)と仲良くなります!!

でした。
先生は自分の名前を改めて紹介してくれた後、そう言ったのです。
それもとびっきりの笑顔で。

「仲良くなる!」という言葉の秘密

記事を書きながら今、この言葉を改めて振り返っています。
保育士が保護者に最初に掛けられる言葉はきっと他にもあると思うんです。

しっかりみていきますね。
安心してもらえるように頑張りますね。

それらの言葉も間違いではありませんよね。
ですがそのひとことで全ての不安や心配が払拭できるかというとあやしいです。
では、「仲良くなる!」という言葉との違いは何でしょうか。

【仲良くなる】
互いに打ち解けること、親しくなることなどを意味する表現。  ーweblio国語辞典

仲良くなるということは「お互いに」と両者の気持ちが向かい合っていなければ成立しないんですね。
それに比べて上記にあげた2つの言葉はどちらも一方的です。
先生と子どもの関係は、どちらか一方が気持ちを向けていても成り立ちません。

「仲良くなります」という8文字には、「私は○○ちゃんを好きになって、○○ちゃんにも私を好きになってもらえるようになります」という意味が込められていることがわかります。
そして子どもとの信頼関係をすぐ築くという決意表明にも感じられます。

この言葉を言われたときにそう分析したわけではありませんが、親として肌でその思いを感じ取ることができたのだと思います。

「はじめまして」を大事にするということ

初頭効果

第一印象が大事、そんな言葉を聞いたことはありませんか?

初頭効果と言って、初めて出会ったときの最初の印象が特に残りやすく、その印象が今後のその人への評価に影響するという心理効果があるんです。
この初頭効果は最初に出会って6秒〜7秒、長くても10秒以内で決まるそうです。

大事なお子さんを預かる上で保育士と保護者の信頼関係の築きがどれほど重要かはご存知だと思います。
その礎となる第一印象がもし悪かったとしたらそんなにももったいないことはありません。
出会ってたった10秒の印象が悪いばかりにずっと疑心暗鬼を抱かれながらお子さんを預かることになるかもしれないのです。
逆に言うと、この10秒の印象がとても良ければ信頼関係の築きに大いに役立つということです。

「関係をどう築きたいか」が表れる

初頭効果というような心理学的な話がなくても、「はじめまして」という最初のやりとりが丁寧な人は「この関係を大事にしたい」と考えているように思います。
これは保育士対保護者、対子どもに限らず、どのような関係においても言えるのではないでしょうか。

(第一印象最悪だったのにいつの間にか・・・惚)
というのは恋愛漫画だけの王道な気がします。

社会人として、保育士として、今後の関係を見据えた最初のときを迎えたいですね。

保護者との関係づくりにおすすめ

今回の記事は保護者との関係のスタート部分についてですが、年間を通して保護者との関係に悩む先生は少なくありません。
そんな先生におすすめの1冊を紹介したいと思います。

大豆生田先生の著書です。
保護者との関係をうまく築くためのちょっとしたコツが満載です。
イラストも多く、事例が漫画で描かれているので本を読むのが好きではない方や読む時間がない!という忙しい方にも読みやすいと思います。
保護者のタイプ別のコミュニケーション術など即実践できるものばかりでしたよ。

おわりに

保護者としての体験を経て、保育士復帰してからの私は保護者との「はじめまして」を大事にしています。

担任として、しっかりと名乗ること。
そして「○○ちゃん(くん)とすぐに仲良くなりますね!!」

長女の先生を真似て、私もこの言葉からスタートするようにしていました。
これから毎日大事なお子さんをお預かりするんです。

園での時間、保護者に代わって私が○○ちゃんを大事に育みます!
私はきっと○○ちゃんを大好きになるし、○○ちゃんにもそう思ってもらえるように頑張ります!

そんな気持ちを込めて。

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