新人保育士さんへ

赤ちゃん向け番組を保育にどう活かすか

突然ですが乳児クラスの先生方、そして保育学生さん方、赤ちゃん向け番組を観たことがありますか?
私はというと・・・、そういう番組があることは知っているけど観たことない!興味もない!、若い頃はそんな風に思っていました。

ですが赤ちゃん向け番組には赤ちゃんたちが楽しいと思う秘密がいっぱいなんです。
これを保育に活かさないのはもったいない!
今回は「赤ちゃん向け番組のどこをどのように保育に活かすことができるのか」をシェアしたいと思います!

先輩保育士に赤ちゃん向け番組を観るようアドバイスされて実践したけどわからなかった話。

それは新年度の担任発表がある職員会議のときでした。
幼稚園から保育園に転職したことで転職後1年間は何かと年長クラスに入ることが多かった私。
保育園勤務2年目は当然幼児クラスの担任になるのだと思い込んでいました。
他の先生方もそう予想していましたし、サプライズ的な配属のない園ということも手伝って、完全に思い込んでいました。

ところが私が配属されたのは1歳児!

それも、クラスリーダー。
保育園では初めて自分が主担任となったのです。

園生活や園行事のことなど幼児クラスのことしか頭に入っていませんでした。
詳細を話すと乳児幼児で階が分かれている園だったので、乳児クラスの子どもたちや保護者方ともほとんど関わりがなく流れもよく理解していませんでした。


もうパニックです!笑
これまでの保育人生で培ったもの全て(と言っても2年分なんですけど笑)幼児向けですし、「さ〜新しく学べるぞ!」と前向きにはまだ思えませんでした。

そんな私を見兼ねた先輩保育士がアドバイスをくれました。


「いないいないばあ」って「おかあさんといっしょ」の赤ちゃん版みたいなものかな?
それくらいのことしか知りませんでしたが、できれば早急に乳児保育のヒントが欲しかった私はさっそく録画して観てみることにしました。
(今のようにYouTubeで検索〜とはいかない時代です。)

「いないいないばあ」を観たら乳児の保育がわかるようになるんだ!
なんて素敵な番組なの?!
勝手に番組へのハードルをあげて楽しみに録画を再生しました。


TVと向かい合ってかじりつくように観ること15分。

新人うめT
新人うめT
え!?もう終わった!え!!?さっぱりわからないんですけどーーー・・・

赤ちゃん向けの世界観に圧倒される思いと、どこをどう保育に活かせるのかさっぱりわからない困惑。

新人うめT
新人うめT
先生〜〜〜!
この番組のどこをどう保育に活かしたらいいんですかー!!!?
そこまでアドバイス下さい〜〜!!

と思いましたが(甘えすぎってね、笑)アドバイスを下さった先輩保育士はOBの先生。
電話で話す仲でもありません。
だからと言ってせっかくのアドバイスを無駄にしたくもありません。
理解できるまで何回も観てみることにしました。

赤ちゃん向け番組を何度も観てわかったこと

こうなったらとことん観てやろう!と思ったわけですが・・・。
いないいないばあって1日に2回(朝と夕)あるんですよね。
録画が膨大な量になりましたよ。


結果わかったこと。
夕方放送分は朝の再放送・・・。
知ってました?笑
(そんなことも知らなかったんですよ私)

他にわかったことは、
・番組15分の中で体操や歌、生活面のこと、遊びなどいくつかの短いコーナーで構成されていること。
・うーたん、わんわん、おねえさん(おねえさんとは呼ばれない。)が主なメンバー。
・うーたんは赤ちゃんで、うーたんの他にも色々なキャラクターがコーナーによって出てくること。

そしてそして、毎日必ずある体操は赤ちゃんたちに絶大な人気を誇っていることも知りました!

赤ちゃん向け番組を保育にどう活かすか

観ているうちに番組への情も出てきた私ですが、肝心なことはどこをどう保育に活かしていくかということですよね。
これは毎日少しずつ子どもたちの反応を確かめながら保育に取り入れて行き、気が付けば自然と保育に活かしていた!という感じなのですが、改めてまとめてみたいと思います。

1番組内の体操をしてみる

これは既に取り入れてる園も多いかもしれません。
「いないいないばあ」の体操はどの代の体操も「ハイハイ」「寝転がる」「しゃがんで立ち上がる」「走り回る」「飛び跳ねる」などの動作が入っています。
「おかあさんといっしょ」内である体操と違って1曲が短く乳児仕様の構成です。

現在の体操曲は家庭でも親しんで来ている子どもが多いため、園で取り入れると子どもたちの反応はいいです。
先にあげた一連の動作はまだできないという子どもも体を揺らしたり、笑顔になったりと反応してくれます。

また過去の体操もおすすめです。
「ちびっこマンたいそう」「ぐるぐるどっか〜ん!」や「わ〜お!」が過去の体操です。
せっかく赤ちゃん向けに作られた体操ですし、いつも同じ曲では楽しくないですよね。
過去の体操を取り入れることでかえって新鮮さが味わえます。
曲が短い分、先生方も覚えやすいと思いますよ。

2おねえさんの言葉がけや身振り手振りを参考にする

元々乳児さんと馴染みのある先生は既に身についていると思いますが、乳児さんは初めて関わるという先生や保育学生さんはぜひおねえさんの様子に着目してみて欲しいです。

おねえさんと言っても「いないいないばあ」のおねえさんは小学生が起用されています。
そして番組に出てくるメンバー(操り人形たち含む)みんな「お友達」というコンセプトなので「おねえさん」とは呼ばれていません。
ですが赤ちゃんであるうーたんや子役の赤ちゃんへの言葉は、ゆっくりで優しく参考にすべき部分がたくさんあります。
(※出演している赤ちゃん達はみんな子役で撮影の場に慣れた子ども達なのだそうです。)

例えば、おねえさんと子役の赤ちゃんが向かい合って手遊び歌を楽しむコーナーでは、いきなり手遊び歌が始まるわけではありません。まずおねえさんが優しく語りかけます。

はるきちゃん
はるきちゃん
今度ははるきとおててで遊ぼうか。じゃあおててをパーにしてみて〜・・・

おねえさんの名前部分を「○○せんせい」に変えれば、手遊び歌に入る前の言葉がけになりますね。
他にも折り紙を折って見せるときはそんな言葉を使うのか、そんな効果音を口に出すと楽しいのか、と発見がたくさんあります。
例にあげたもののように言葉がけをそのまま使いましょう!というわけではありませんが、参考にできる部分は多いと思います。

3遊びのコーナーを真似してみる

手遊びのコーナーの他にも折り紙や簡単な制作をおねえさんがしてみせてくれるコーナーがあります。
大掛かりな準備が不要で簡単に用意できそうなもの(廃材など)を使った遊びは保育の隙間時間に楽しんだり、活動の導入に取り入れたりできます。
またそこから発展させた遊びを主活動にするのも楽しそうです。

わかりやすいように例を出すと・・・
以前私がYouTubeで紹介した画用紙1枚の遊びも実は「いないいないばあ」でおねえさんがしてくれたものなのです。
これはまさにイラストに描いた新人保育士時代に番組を観て取り入れたもののひとつです。

YouTube うめ先生チャンネル なにができるかあててみて♪

私のチャンネルの中でも古い動画なので恥ずかしいのですが、こういったちょっとした遊びが番組内に時々出てくるので要チェックです!

他にも子役の子ども達と体を使って楽しむなりきり遊びは乳児さんの大好きな遊びですね。
なりきり遊びは既に保育でしているかもしれませんが、自分の発想に止まらないことでレパートリーを増やせます。

4「こんなときどうする?」を参考にする

乳児さんたちがその発達でぶつかる「こんなときこまった」に対応するコーナーも参考になります。
例えば、

うーたん
うーたん
うーたんおなかむずむず

・・・と、トイレに行きたいのに行きたくないうーたん。

うーたん
うーたん
うーたんいやいや

・・・、イヤイヤ期到来のうーたん。

他にも食べ物の取り合いになったうーたん、おもちゃの取り合いになったうーたん、はみがきしたくないうーたん、お着替えしたくないうーたん・・・
などこの時期あるあるの「こんなときどうしよう」と困っているうーたんを導いてくれるコーナーです。
導き役は大抵その場面に合うキャラクターが登場し、言葉がけや歌による援助によって解決してくれます。

トイレのシーンではベンキー
「うーたん、それはチッチじゃよ。ベンキーのお部屋においで」
と誘います。

イヤイヤのうーたんにはモウフー
「うーたん眠かったんだね、大丈夫だよ、起きたらまた遊ぼう」
「うーたん積木がうまくできなかったんだね、もう一回してみよう」
と気持ちを代弁して提案します。

食べ物の取り合いは「はんぶんこ」を、おもちゃの取り合いには「かして」「いいよ(あとで)」をするといいんだよと教えてくれます。

これを保育現場に置き換えるとベンキーやモウフーたちの役割を保育士がするというわけです。番組のように歌を取り入れながら援助したり、言葉がけを参考にしてみて下さい。

当然私たちが向かい合うのは現実の子どもなので、うまく行かないこともあります。ですが、この番組を観ていると困っているのは子ども本人であることを実感させられます。
生活や遊びの中での「こんなときどうしよう」「いやいや」はそれを発した子どもではなく、援助する人(お母さんや先生)が「困る〜」「大変っ!」と考えがちですがそうではないのです。
このことをしっかりと把握しているのといないのとでは、子どもを援助する気持ちに違いが出てきます。

余談ですが、母親と保育士は違います。

イヤイヤやグズグズは自分の気持ちをうまく言葉にできない子どものサインです。
それに対しイライラしてしまう保育士は、プロとして自身の保育力や体調面を見直すべきです。
一方、母親は産後でホルモンバランスが乱れたり夜間授乳などで疲れたり、意思とは反してイライラしてしまうことがあります。あって当然なのです。

保育士はイライラする自分に甘んじない!
母親はイライラする自分を責めない!

が子どもを大事にするポイントだと私は考えます。

5歌を取り入れる

番組内ではオリジナルの歌がたくさん出てきます。
著名な方が作詞作曲しているものも多くて・・・

「わ!岸谷香さんがつくってる!」(若い先生は知らないかな〜笑)
「わ!これはつんくさん!」
「新沢としひこ先生の歌だ〜!」

最初はいちいち興奮してました!笑
そういう目線で観ても大人は楽しいのですが・・・
なんと言っても乳児さんのために作られた歌なので、乳児さんが口ずさみやすいメロディと歌詞になっているんです。
季節に合う歌や乳児さんにとって身近なものの歌(風船とかボールとか)が多いので楽しめると思います。

それでいうとオープニング曲はどの代の曲も「いないいないばあ」がテーマになった歌です。「いないいないばあ」は番組名ですが、赤ちゃんの大好きな遊びでもありますよね。
いないいないばあ遊びは色んなやり方がありますが、このオープニング曲を使っての遊びもレパートリーのひとつにおすすめですよ。

こういう提案をすると、「楽譜は?」「CDは?」と音源を探し出す先生や、「ピアノできない!」「歌下手だし!」と取り入れない理由を探し出す先生が多いのです。

確かにピアノの伴奏があったら素敵です。CDがあると盛り上がるかもしれません。

でも、乳児さんにとって一番心地良いのは大好きなママの声であり、大好きな先生の声ですよ。
ピアノが弾けなくても大丈夫!
乳児さんは特に口伴奏で十分なんだそうですよ。
(これ引用元の出典が現在不明です!見つけ次第追記しますね。ごめんなさい)

「いないいないばあ」以外の参考になる赤ちゃん向け番組

「いないいないばあ」を網羅してきたら他の番組も観てみたい!と思う先生もいるかもしれませんね。
現在地上波で赤ちゃん向けの番組と言ったらもう「いないいないばあ」以外に思い浮かばないですが・・・
(ご存知の方いたら教えて下さい!)

あえておすすめするとしたらしまじろう、乳児さん向けなので「こどもちゃれんじぷち」ですね。
TV番組ではなく通信教育です。(PRではありません。)

これは私の長女長男が受講していたので知っているのですが・・・
幼児教育の専門家のみなさんが総力をあげてつくっているだけあって映像コンテンツも付録の玩具も本当に素晴らしかったです。

映像コンテンツは「いないいないばあ」同様乳児さん向けの仕様になっています。
当然構成も似ていますが、キャラクターと歌や体操が違ってくるので純粋にレパートリー増やしに役立つという意味でのおすすめになります。

ただ該当年齢の子どもがいないと受講できないと思うので、親戚や友人で受講している方がいたら一緒に見させて頂くといいのかなと思います。
もしかしたらメルカリなどで販売があるかもしれません。

こどもちゃれんじぷちは玩具も素晴らしくて・・・
当時初めての育児で熱心だったこともあり、プラスチック玩具は与えないと決めていた私ですが、その考えが覆りました!
詳細はまたいつか・・・

おわりに

保育、そして乳児保育の経験がある先生は当時の私のように、乳児クラスの担任になったからと言って焦らないと思います。
赤ちゃん向け番組を保育に活用しようなんて思いもしないかもしれません。
ですが赤ちゃんに絶大な人気を誇るあの番組には、それだけの理由があるのだと何度も観て思いました。

もちろん赤ちゃん向け番組だけを参考にするのは間違っていると思います。
有資格者としてしっかり乳児保育を学ぶべきですし、研修でも学べますし、参考になる保育書籍もたくさんあります。
そういった学びを続けながら、参考にするもののひとつとしてもいいのではないかと思ったのです。
つまり絶対に観なければならないものではないんです。

ただ幼児クラスで人気のアニメを先生も観ていると知ったら子ども達が盛り上がるように、乳児さんたちが観ているものを先生が観ていたら乳児さん達も盛り上がるんだなーと感じたのです。

繰り返しますが絶対に観なければならないものではないんです。
ですが、
「活動の導入に手遊び歌をしようと思ったのに、その手遊び歌はどうやって始めたらいいの?導入の導入????」
と保育の初歩的な部分に頭を抱えている保育学生さん、新人保育士さんにはヒントが満載ですよ。
お伝えした参考にできる部分に着目しながら視聴してみて下さいね。