保護者の立場で「夜泣き」をテーマに綴ってきましたが、「夜泣き」と言えば保育士時代に出会ったとある親子が心に浮かぶんです。
今日はそんな親子のお話から・・・
夜泣きのひどいももちゃんの話
ももちゃん(仮名)のママは悩んでいました。
挨拶の後に続くのは決まって「夜泣きがひどかった」という連絡。
当時の私は保育士2年目。(幼1年→保2年目)
保育園では初めての主担任でした。
あまりに毎日のことなので、私もとても気になりました。
園では変わった様子、眠そうな様子などはありませんでしたが、ももちゃんのママから聞く「夜泣き」の話はとても深刻でした。
私は必死でした。
なんとか原因や対策を突き止めたい、そう思っていました。
私は必死でした。
ももちゃんのことに、必死でした。
ですが結局、
ももちゃんの夜泣きが在園中に治ることはありませんでした。
私の大失敗・・・
そして時は流れ、私自身も夜泣きに悩む母となり・・・
やっと、気が付きました。
ももちゃんママの大変さを。
苦悩を。
夜中に絶叫し暴れて泣く我が子ふたりを抱きながら、ももちゃんママを思わない日はありませんでした。
どうしてあの時、
ももちゃんママに寄り添ってあげられなかったのか。
今思えば、私なりに頑張った(気がして)得た知識は、ももちゃんママを救うどころか追い詰めただけだったのではないでしょうか。
いつも園に協力的で、クレームなど一切なかったももちゃんのご家庭。
それは他でもない、ももちゃんのためです。
もしかすると、
「先生の言葉に落ち込むけど、うちの子のこと考えてくれてるのはわかるしね・・・」
とただ察してくれていただけなのではないでしょうか。
なのに私は、そんな自分の非に気づくどころか「精一杯やった!」と自己満足していました。本当に情けないし、恥かしいし、ただひたすら申し訳ないです。
大失敗です・・・。
今の私が保育士として「夜泣きに悩むママ」にかける言葉
産後しばらくして保育士に復帰してからは、保護者への関わりが以前よりわかるようになったと思っています。
乳児担任をしていると必ずいる「夜泣きに悩むママ」さん。
そんなママさんに出会う度、あの時ももちゃんママにかけてあげられなかった言葉を伝えるようにしています。
「ママがしんどいですね」
「ママは眠れていますか?」
「ママ頑張ってますね」
状況によっては園で相談し、平日に仕事が休みでも家庭保育せず預けに来てもらったり、市と連携してフォローをするように動いたり。
在職の園が変わったからこそできるようになった関わりもありますが、必要なのは夜泣きの原因探しでも対策探しでもなかったのだと思います。
ももちゃんママにかけてあげられなかった言葉は、私が夜泣きに悩んでいたときにもらった言葉です。
寄り添いの言葉がどれほどの救いだったか。
保護者対応を間違えない為のポイント1つ
夜泣きのことに限らず「保護者対応」に関する相談は、「うめ先生の個別相談」でもとても多いのです。
そこで今回は保護者対応を間違えない為のポイントを1つお伝えします。
(私のような大失敗をどうかしないでネ)
向かい合っている相手に寄り添う
なんだ!
当たり前のことじゃん!!
って思いました??笑
でも!子どもが大好きな人特有の落とし穴があるんです。
それは・・・
「子どものことばかり考えてしまう!」
という落とし穴です。
子どもたちが、子どもたちのために、子どもたちの・・・
四六時中、子どもたちのことを考えている私たち。
保護者からの相談にもつい「子どものため」だけを思って答えてしまうことがあるのです。
保護者と話すときは、保護者を見て、保護者に寄り添う。
心の奥に置いていて下さいね。
おわりに
「しんどいですね、ママは眠れていますか?」
「お仕事平日休みの日があるなら、ももちゃん預けて少し休まれてはいかがですか?」
夜泣きの原因を説かれるより、そんな寄り添いの言葉は余程救いになったと思います。 当時の私は必死ではあったけれど、「保護者の気持ちに寄り添う」という大切なことに欠けていたんです。
子どもと向かい合っていくことだけが保育ではないんですよね。
保護者と向かい合うことも大切なこと。
自身の失敗談を話すのは本当に恥ずかしいのですが(その割に最近よく晒してるケド)、反面教師にして頂けたら幸いです!
保護者の気持ちにもそっと寄り添える、そんな先生でいたいよね。