パパさんママさんへ

SIDSを防ぐ8つのポイント

我が子にしても、お預かりしている赤ちゃんにしても、

どうにも心配でたまらなくなることがあります。
それは・・・
SIDS(乳幼児突然死症候群)です。

保育現場でも特に気を付けている疾患です。
妊娠出産を迎える方は聞いたことがあるかもしれません。

今回はこのSIDSについてお話したいと思います。

SIDS(乳幼児突然死症候群)とは

SIDSという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

SIDS(乳幼児突然死症候群)
何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気。
窒息などの事故とは異なる。
厚生労働省HPより

私自身は保育学生になったばかりの頃に知り、いまだ原因が究明されていないことや予兆なく突然起こることに恐怖を感じました。

保育園でのSIDS対策

乳児を預かる保育園はどこもSIDSの対策を講じています。
私も乳児クラスの担任になった時は、睡眠時(午睡に限らず子どもが入眠したら常に)のチェックは緊張感を持って行っていました。

↑これらのチェックを5分おきに行っていました。
たまに「保育園の先生って子どもと一緒にお昼寝できるんでしょ?」なんて言われますが(怒)、そんなことは不可能だとわかって頂けると思います。

ITによる午睡チェックを導入している園も増えてきているようですね。
人とIT、ダブルでの見守りができるのは安心感があると思います。

母の立場で感じるSIDS

在職中はそのように5分おきに子どもたちの睡眠を見守ってきた私が、母になったときに思ったこと・・・

「我が子も5分おきにチェックしたい!!!」

私は長女を1412グラムの極小低体重児で産んでいます。
未熟児はSIDSの危険も高まると噂に聞いてとても怖く感じました。
NICU入院中はたくさんのモニターが繋がっていましたし、常に見守られいる安心感がありましたが、退院してからの生活は不安で不安でたまりませんでした。


そして長男、次男は長女と違い産後3日後くらいから母子同室となったのですが、そうなると自分が寝ている間の子どもの睡眠が気になるのです。

新生児なのに睡眠チェックしなくていいの?
私が一緒に寝ている間にSIDSを起こすことはないの?

「我が子も5分おきにチェックしたい!!!(再)」

産後の不安定な精神状態(誰しも産後はホルモンバランスの激しい乱れが起こります。それはPMSの何倍もの乱れなんですって!)も相まって不安心配はピークに。
保育園在職中に研修で、担任していたクラスの子どもをSIDSで亡くされた保育士の先生やSIDS家族の会の方のお話を伺ったことがあり、その怖さを肌で感じた経験も影響していると思います。

家族や親戚には「心配しすぎ〜!」「過保護〜!」と笑われますが、実際にSIDSで亡くなる子どもはいます。SIDSで大切な子どもを亡くす保護者がいるのです。
SIDSの恐怖を知り、対策を講じるのは決して大袈裟なことではないと思います。

家庭でSIDSを防ぐ8つのポイント

そうは言っても園の子どもたちをみるのとは違い、我が子の睡眠を5分置きにチェックすることは出来ません。
そこで家庭でSIDSを防ぐためにすべきことを、当事者のお話を元に考えて実践しているのでシェアしたいと思います。

まず、はじめの3つは一般的にSIDSを防ぐ方法として啓発されているものです。
SIDS啓発ポスターやパンフレットなどに書かれているので、ご存知の方も多いかもしれません。

1仰向けで寝かせる

SIDSの発症は、赤ちゃんをうつぶせに寝かせているときに増加する傾向にあると言われています。病気などにより医師からうつぶせ寝を勧められたとき以外は、出来る限り仰向けで寝かせます。

大変なのは赤ちゃんが寝返りを覚えてからです。寝返りを覚えて、うつぶせになる習慣ができても最初のうちは自分で仰向けに戻れません。その都度、仰向けにそっと戻してあげるようにします。

余談ですが、私の歳の離れた妹が産まれた頃、頭の形をよくするためにと言うことでうつぶせで寝かせることが流行っていたようです。当時中学生だった私も寝かしつけをすることがありましたが、うつぶせで寝かせていました。
保育科に入りSIDSについて学んだとき、そのことを思い出してゾッとしました。

2受動喫煙をさせない

タバコはSIDSの大きな危険因子と言われています。
妊娠中の喫煙をしないだけでなく、同居している家族や友人などに喫煙者がいる場合は同じ空間で喫煙しないよう協力を仰ぎましょう!

私自身喫煙はしたことがないのですが、妊娠中や現在のように乳児を抱えていると歩きタバコやコンビニ前での喫煙がとても気になります。
一方で飲食店は禁煙や分煙のお店が増えているので有難いです。
タバコを吸うのは個人の自由ですが、受動喫煙で周りに迷惑を掛けないように配慮をして欲しいなと願います。

3なるべく母乳育児をする

母乳育児の赤ちゃんの方が、ミルクで育てられている赤ちゃんよりもSIDSの発症率は低いことがわかっていると言われています。

母乳による免疫力の向上や口腔の発達、授乳回数が増えることで抱っこの機会が増えることが理由ではないかと考えられているそうです。
ただし、ミルクがSIDSを発症する要因ではないので神経質にならなくていいとも言われています。

母乳育児をしないことやできないことで、自分を責めたり落ち込んだりするママがいます。ミルク育児にはミルク育児の利点がたくさんあります。
メリットをしっかり見つめて不用意に自分を責めないようにしましょう!また、授乳している人に対して母親でない人が「母乳にしろ、ミルクはやめろ」と意見するのは間違っていると思います。

私自身、3子とも母乳を与えたのは産後少しの間だけです。
自分の体調的にそうせざるを得なかったので、ミルク育児のメリットを思い浮かべて納得するようにしました。

さて、上記3つがよく言われているSIDSを防ぐポイントです。厚生労働省のHPには上記の3つが書かれています。
ですが実際にSIDSでお子さんを亡くされた方々の声を聴くとまだ他にも注意出来ることがあることがわかったので追加してお伝えしますね。

4赤ちゃんを一人にしない

まだ寝返り前の赤ちゃんが健やかによく眠っているからといって一人にはしない方がいいです。赤ちゃんを置いて外出したり、別室で眠ったりしてしまうと呼吸の変化や思わぬ事故(窒息など)に気付けません。

「これくらい大丈夫だろう」という気の緩みでSIDSや思わぬ事故がもし起きたら?
悔やんでも悔みきれないと思います。
そばにいることで防げることがあるのならそばにいたいですね。

5赤ちゃんをあたため過ぎない

寒い時期になると「寒いんじゃないか」「冷えているんじゃないか」と心配になりますよね。特に親が冷え症で自身が寒く感じると、子も寒いのではないかと思うものです。

私も極度の冷え症で冬場は電気毛布必須なんですが、産後は使っていません。
子どもを寝かせている場所の近くに温湿度計を置いて、自分の体感ではなく温度や湿度をしっかりみて寒いかどうかの判断をするようにしています。

実はお話を伺った当事者の方がまさにこの「あたため過ぎ」が原因でSIDSを引き起こしたのではないかと推定されていて、床暖房やホットカーペット、電気毛布を赤ちゃんに使うことは避けた方がいいとおっしゃっていたのが印象に残っています。

厚生労働省研究班報告書では、赤ちゃんを布団や着衣であたためるより部屋全体をあたためた方がSIDSの発生率は低いことが示されています。

6寝具に注意する

赤ちゃんが寝るときに使うベッドや寝具に気をつけます。

具体的にお伝えすると・・・
・敷布団は硬めのもの、掛け布団は軽いものにする。
・掛け布団やタオルが顔にかからないようにする。
・枕は使わない。
・顔や布団の周囲に物を置かない。(ぬいぐるみやおしゃぶりのひも、ビニール、タオルなど)
・午前睡などの短い睡眠でもソファなどの簡易的な場所に寝かさない。

ベビーベッドに寝かせると柵にぶつけるのではないかとクッションやぬいぐるみでガードしている方がいるようですが危険です。(SIDSというか窒息の要因になりますね。)
ぶつけることが心配であれば、専用のベッドガードが販売されているのでそういうものを使いましょう。

ガーゼやスタイも危ない!(寝具ではないけど)
月齢が上がって来ると周囲にあるものを掴んだり口に持って行ったりするようになります。ですがまだうまく手を使えないので、顔にかぶさってしまうなどの危険があります。タオルやガーゼなどを周辺に起き忘れないように気をつけます。
スタイも睡眠中は外します。外したスタイを近くに置いたままにしないように心掛けましょう。

7添い寝は気をつける

米国小児学会は、親と同じ寝室で、別のベッドで寝かせることを推奨しています。

添い寝による事故が指摘されているんですね。
でも日本では添い寝をする家庭が多いのではないかと思います。産院でも赤ちゃんの心の安定や母親の体力温存のために勧められることすらあります。

同じ寝室でベビーベッドに寝かせることが可能ならそれがいいかもしれませんが、私は自分の体力的な問題(帝王切開でしんどかった、、)で添い寝するようになり、今でも継続しています。

そばで寝ているときと離れて家事や作業をしているときでは、そばにいる方が断然長く寝てくれるので添い寝が、子どもの心の安定になっていることがよくわかります。
また息遣いなどをそばで感じ取れるので、発熱など体調の変化にもすぐ気付くことができることは添い寝のメリットだと思います。
ただ米国小児学会で発表されているくらいですから、危険が伴うこともまた事実として受け止めています。

添い寝で私が注意している方法・・・

・同じベッドで寝ていても密着はしない。(母乳の方は難しいかもしれません。)
・掛け布団を同じものにしない。(冷え症の私が無意識に子どもの顔に掛け布団をかけないように。)
・自分と子どもの頭の位置を揃える。(上記と同じく顔に布団を掛けてしまわないようにするため。)

私はとても冷え症なので、無意識に布団を口元まで引き上げ包まって眠る癖があります。その引き上げた布団が子の顔に被さると危険なのでそうならないよう気をつけているわけですが、そのように自分の就寝時の癖を知っておくと対策が立てやすいと思います。

8必ずさわって確認する

これは保育施設でも実践している方法ですね。
実際に赤ちゃんをさわって問題がないか確認します。
離れたところからの確認では「よく眠っている」のか「呼吸していない」のか判断がつきにくいのではないでしょうか。(呼吸していない赤ちゃんに出会ったことはないので推定ですが)

我が子のことになると特に「よく眠っているんだろう」「大丈夫に違いない」となぜか過信しがちです。お預かりしている赤ちゃんのように5分間隔で確認する必要はないと思いますが、一緒に眠っている時以外はこまめにさわって確認することをおすすめします。

私は寝息が聞こえてこない時などは特に気をつけて、そっと子の胸に手を置いて呼吸の確認をしています。

SIDSが心配な保護者へおすすめアイテム

8つの方法を実践するにしても心配がどうしても拭えない!というパパさんやママさんは多いと思います。
私の子どものようにお子さんが未熟児だった場合などは特に神経質になるかもしれませんね。
そんなパパさんやママさんにおすすめのアイテムがあります!

眠っている赤ちゃんの腹部の動きをモニタリングし、15秒間動きが止ったら振動で喚起し、さらに5秒間動きが感知されない場合はアラーム音でお知らせしてくれる機器です。
オムツに取り付けて電源を入れるだけで使用できるという簡単さが魅力です。

但し、注意事項としてSIDSの予防や睡眠障害の評価に用いる機器ではないとあります。この機器の体動情報だけで判断せず、必ず保護者が確認するようにしましょう!

おわりに

SIDSでクラスの子どもを亡くした保育士さんの話を聞いた時、とにかくショックでした。

「どうして防げなかったのか」と深く深くご自分を責めていらっしゃいましたし、「こうすればよかった、ああすればよかった」という後悔は一生拭えないだろうと思います。

その先生が涙ながらに訴えていたのは「とにかくさわって確認を!」ということでした。健やかに寝ているという判断はさわってみないとわからないんです。

SIDSへの心配を口にしたり、上にまとめた対策を実践していると「なんて過保護な!」と本当によく笑われます。
でもその小さな用心をしなかったばかりに最悪のことが起きたら?

・・・私は、とても耐えられそうにありません。

毎日のちょっとした配慮で最悪のことを防げるなら笑われてもいいです。

この8つの対策は家庭用です。
赤ちゃんを迎えた、あるいはこれから迎えるパパさんやママさんの参考になったら幸いです。
あなたの大切な大切な赤ちゃんを守るために、実践してみて下さいね。